
ディスコントロールパーティー
(Discontrol Party)
祝祭的インタラクティブ装置、2009年―2011年
サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini)
音楽プログラミング:シルヴィ・アスティエ(Sylvie Astié)(Dokidoki)
EnsadLab/Drii(国立高等装飾芸術学校 (EnsAD)の研究所)、ヴァランシ エンヌ・エノー=カンブレジス大学(Université de Valenciennes et du Hainaut-Cambrésis)(フランス)における“大集団の相互作用”に関する研 究の一環としてこのプロジェクトは開発されました。 助成:フランス国立研究機構(Agence nationale de la recherche) (ANR) (研究プロジェクト“実行可能なもの―芸術的装置:観客の演出”の一環とし て)、ヨーロッパ人間社会科学館(Maison européenne des sciences de l’homme et de la société) (MESHS) (フランス)
バージョン 2:
インタラクティブ装置:赤外線カメラ(複数)、赤外線プロジェクター (複数)、RFID-UWBリアルタイム全地球測位システム、コンピューター、インテリジェントライト
La Gaîté Lyrique(パリ)、2011年6月24日・25日
競争力拠点Cap Digitalとイル・ド・フランス地方のサポートにより、 La Gaîté Lyriqueの協力のもとFutur en Seine 2011プログラムの一環として 行われた。
音楽プログラム:
6月24日金曜日:Schlachthofbronx、Ceephax acid crew、Absolute Body Control、Errorsmith、DJ Krikor
6月25日土曜日:Captain Ahab、Covox、Bass Jog (DJ Elephant Power + FX.Randomiz)、Nero’s Day at Disneyland、 DJ Krikor
技術制作部:アントワーヌ・ヴィルレ(Antoine Villeret)
視覚環境プログラミング(KetchupAddict):ウサマ・ミュバラク(Oussama Mubarak)(トメク・ジャロラン(Tomek Jarolim)のコラボレー ションとマリー=ジュリー・ブルジョワ(Marie-Julie Bourgeois)の貢献による。)
RFID-UWBキャプチャリング:グザヴィエ・ボワサリ(Xavier Boissarie)、 ジョナタン タナン(Jonathan Tanant)(Orbe)(Ubisenseの技術協力に よる。)
ビデオ装置(芸術的および技術的コラボレーション):アントワーヌ・ヴィ ルレ(Antoine Villeret)、ケイヴァヌ・アリナギ(Keyvane Alinaghi)
技術助言:シリル・アンリ(Cyrille Henry)
協力:Philips
“セカンド・ライフ”上の遠隔操作Disorder Screen Control:
リュシル・オート(Lucile Haute)、クレール・シスタシュ(Claire Sistach)、アラン・バルテレミー(Alain Barthélémy)、フレデリック・トムソン(Frédérick Thomson)(EnsadLab/EN-ERのサポートによる。)、セカンドライフのホスティングに関してはイル=ド=フランスMetalab 3D- ARTESIのサポートによる。.
RFIDアクセサリデザイン:クレール・ボナルド(Claire Bonardot)、オルネラ・コフィ(Coffi)、セシル・ゲ(Cécile Gay)、ジェニフェル・ユゴ(Jennifer Hugot)、ポリーヌ・ジャミル(Pauline Jamilloux)、ロール・ペトレ(Laure Pétré)、ヴァランティヌ・ロジ(Valentine Rosi)、クロエ・セヴラン(Chloé Severyns)、アリス・トパール(Alice Topart)、2011年度国立高等装飾芸術学校テキスタルデザイン、服飾デザイン学生
謝辞:Progis、la Bibliothèque Francophone



ディスコントロールパーティー, サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini), 2011
La Gaîté Lyrique(パリ)、2011年6月24日・25日
写真撮影 : © Samuel Bianchini - ADAGP
《ディスコントロールパーティー》(ディスコントロールは制御不可能な という意味である。この言葉の中にはディスコとコントロールという言葉を 見つけることができる。)はふたつの世界を遭遇させるための装置である。 最先端の監視技術の世界と、祝祭の世界である。ダンスフロアあるいはコン サートホール/劇場の装備は、プロジェクターの灯りで照らされるべく、 そして同時にコンピューター制御による強力なシステムに監視されるべく、 設定されたものである(赤外線カメラ、3Dカメラ、コンピュータビジョン、 顔認識、RFID)。会場は一晩のあいだナイトクラブとなるが、そのクラブ は監視室を改装したものにすぎない。パーティーに参加した観客が直面する のは、照明やVJのエフェクトでは く、こちらを観察し分析しようとする情 報システムをさまざまに可視化したものである。
特定の一集団向けのゲーム、あるいは「β版試用」にも似て、ここでは挑 戦が公然のものとされている。祝祭的な活動においていかにシステムの裏を かき、その魔手を逃れる混乱へとシステムを引きずり込むことができるか。 システムにバグを引き起こす方法もあるのではないか。なぜなら観客が招待 されているこのパーティーは、「パーティー自体を装置によってモニターし たもののなかで観客自身が動いているのを観客自身に見せる」というパーテ ィーだからである。観客が見ることができるものには、以下のようなものが ある。観客自身の移動をマッピングしたもの、リスティングしたもの、その さまざまな解析結果、自分たちを撮った監視カメラの未加工映像、その画像 を自動解析用に加工したものと自動解析によって加工されたもの、情報シス テムの活動を再現したもの。バージョン2で新たに加わったものとしては、 情報システムの活動が「セカンドライフ」の仮想空間に与えた影響の結果と、 それをパーティーの現実世界にフィードバックした結果がある。 監視と祝祭、このふたつの世界はあらゆる点で正反対のものに見えるかも しれない。しかしいずれも集団の、さらには群衆の行動にかかわる世界であ ることに違いはない。ただ監視──公共スペースのためのものであることが もっとも多い──は本来的に、人の流れ、順番待ちの列、待合室、プラット フォームといった組織立った群衆の動きにかかわるものである。これにたい してパーティー(祝祭)の動きは速く、無秩序で、しばしば癒着的ですらあり、 自動化されていく監視装置による特定や追跡、個人の身元調査──形状 認識・個体認識・行動認識・トレーサビリティー──にはあまり向いていな い。ふたつの世界を直面させ、いっぽうの世界で他方を乗り越えようとする ことによって、この未来予測型の装置は、祝祭という人類最古の儀式のひと つのプリミティヴな痕跡を再発見させることができるのではないだろうか。













ディスコントロールパーティー, サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini), 2011
La Gaîté Lyrique(パリ)、2011年6月24日・25日
写真撮影 : © Samuel Bianchini - ADAGP


ディスコントロールパーティー, サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini), 2011
La Gaîté Lyrique(パリ)、2011年6月24日・25日
写真撮影 : アラン・ドクレール(Alain Declercq)

ディスコントロールパーティー
(Discontrol Party)
祝祭的インタラクティブ装置、2009年―2011年
サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini)
バージョン 1:
インタラクティブ装置:赤外線カメラ(複数)、赤外線プロジェクター、 コンピューター、ビデオプロジェクター、マジックミラー、インテリジェントライト
エスパス ピエル・パオロ・パゾリーニ―ヴァランシエンヌ国際劇場 (Espace Pier Paolo Pasolini - Théâtre international de Valenciennes)(フランス)、2009年11月20日、フェスティバルネクスト(Festival NeXt)開会イベント
音楽プログラミング: Pan Sonic、Sexy Sushi、Pigeon Funk、
Computer Truck、Hassan K、Sascii
ビデオ装置(芸術的および技術的コラボレーション):
ケイヴァヌ・アリナギ(Keyvane Alinaghi)
グラフィックプログラミング:ウサマ・ミュバラク(Oussama Mubarak)
データ処理・技術助言:シルヴィ・ティソ(Sylvie Tissot)
アシスタント:アントワーヌ・ヴィルレ(Antoine Villeret)
協力:CiTu、l’iMAL(デジタルカルチャー・テクノロジーセンター(Center for Digital Cultures and Technology)、ブリュッセル)


ディスコントロールパーティー, サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini), 2009
「ネクスト(NeXt)国際芸術フェスティバル」、 エスパス ピエル・パオ ロ・パゾリーニ―ヴァランシエンヌ国際劇場(Espace Pier Paolo Pasolini - Théâtre international de Valenciennes)(フランス)、2009年11月20日。
写真撮影 : Didier Crasnault








ディスコントロールパーティー, サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini), 2009
「ネク スト(NeXt)国際芸術フェスティバル」、 エスパス ピエル・パオ ロ・パゾリーニ―ヴァランシエンヌ国際劇場(Espace Pier Paolo Pasolini - Théâtre international de Valenciennes)(フランス)、2009年11月20日。
写真撮影 : © Samuel Bianchini - ADAGP