コールバック (Rappel)

インタラクティブ音響インスタレーション、 2005年
サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini)

エンジニア: ジャン=バティスト・ドルレール(Jean-Baptiste Droulers)

 

 


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コールバック, サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini), 2005
「トレーニングセンター(Training Center)」、 個展、ヴィラ・フォルモーズ(La Villa Formose)、 ポー芸術・コミュニケーション高等学校(École supérieure des arts et de la communication de Pau)ギャラリー(フランス)、2005年5月12-27日。
写真撮影 : © Samuel Bianchini - ADAGP

 

 


《コールバック》は展覧会の展示室に設置されたインタラクティブな音響 インスタレーションである。この装置は「人感センサー」のようなもので、 最後の鑑賞者が展示室を出るときに音を発する。その音とはサポーターの歓 声である。人の存在を感じさせる空虚な空間を背後に、鑑賞者は展示室をあ とにする。《コールバック》は自律したひとつの作品と見なしてもよいが、 それがスポーツイベントやショーをモチーフとした同じ作者の《トレーニン グセンター》《ガードせよ》《人数が多ければ多いほど》《ポリミック》な どの視覚的インタラクティブインスタレーションと同じ部屋に展示されるほ うが望ましい。上記のインスタレーションはすべてスポーツやショー、ある いはその両方に依存しているが、鑑賞者を「パフォーマンス」の領域へと招 く。
《コールバック》は目に見えないが音がし、展示室を出るときになって鑑 賞者の意表を突く。さきほどまで操作していた作品をあとにするときに、 鑑賞者はこの喝采によってかすかな混乱に陥れられ、自分が体験したばかり のものを振り返りたくなる。この喝采の理由は何なのだろうか。どこで喝采 しているのか。だれに喝采しているのか。自分にか、それとも画像の登場人 物にか。最後まで不確実なままである。鑑賞者の演出は「二重」であり、 受動的なものとしても能動的なものとしても理解が可能である。


 

 



コールバック, サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini), 2005
Video - 29s - High band request
Images and editing : © Samuel Bianchini - ADAGP