不時の出来事 (Contretemps)
インタラクティブインスタレーション 2004年―2010年
サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini)
画像プログラミング: エマニュエル・メオワ(Emmanuel Méhois)
タッチパネルプログラミング: ジル・ボレール(Gilles Bollaert)、
ジェローム・グルリエ(Jérôme Grellier)(EESI, École européenne supérieure de l’image)、ヨーロッパ高等映像学校、アングレーム・ポワチエ、 フランス)
参加:レイノー・オルリ(Reynaud Olry)
制作: Dispothèque
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不時の出来事, サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini), 2004-2010
「メンテナンス(Maintenance)」、個展、ヨーロッパ高等映像学校(École européenne supérieure de l’image)(ポワチエ、フランス)、2010 年5月4日-6月4日。
写真撮影 : © Samuel Bianchini - ADAGP
《不時の出来事》(タイトル中にはContre(対する、反する) temps(時) という言葉が含まれている)はインタラクティブなインスタレーションであ る。壁に嵌めこまれた大きなガラス製タッチスクリーンに「パイプ」(「|」) と「ピリオド」(「.」)のふたつの文字を使ったアスキーアート動画が映っ ている。等身大で表示された人間のシルエットだ。男は壁に向かって、日数 を数える囚人のように小さな棒を書きつけている。人物も棒もともに「|」 の記号で表現されているため、人物が「|」を書き足すにつれ、書かれた棒 と書いている人物は混じり合っていく。ついには画面が記号で満たされ、 記号のベタ塗り、記号による灰色になってしまう。
記号にはそれぞれハイパーテキストのリンクが張られている。画面上の任 意の記号に触れることで、鑑賞者は動画の時間を進めたり戻したりできる。 上部の記号は動画の初めへと導き、下部の記号は動画の終わりへと導く。線 から線へ、記号から記号へと画像のあちこちに触れることにより、画像に加 えたその操作に従って動画を動かすことができる。このように、画面の中の 人物と同じ記号を指さし、動画を前進させたり巻き戻したりすることによっ て、鑑賞者は画面中の人物と並行した状況、さらには相似の状況にある。程 度の変化もありうる。鑑賞者の状況は登場人物の状況に次第に類似してくる。 画面が徐々に単一の記号で埋め尽くされ、もはや、奥行きも題材も表現せず、 のっぺりとした壁となったときにはとくに類似する。三人称の「彼」から、 一人称の「私」へと、立場は確定したものではない。むしろ過渡的・可変的 なものであり、体験してみてこそわかるものである。
不時の出来事, サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini), 2004-2010
「メンテナンス(Maintenance)」、個展、ヨーロッパ高等映像学校(École européenne supérieure de l’image)(ポワチエ、フランス)、2010 年5月4日-6月4日。
Video - 51s - High band request
Images and editing: © Samuel Bianchini - ADAGP
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