蘇生 (REANIMATION)

ダンサーと鑑賞者のためのインタラクティブ作品、 2005年-2008年
サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini)、ティエリ・フルニエ(Thierry Fournier)

装置・演出: サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini)、ティエリ・フルニエ(Thierry Fournier)
振付・演奏: シルヴァン・プリュヌネック(Sylvain Prunenec)
キャプチャリング・音楽 : ティエリ・フルニエ(Thierry Fournier)
CGプログラミング : フレデリック・デュリウ (Frédéric Durieu)
アニメーション: サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini)
制作 : ナンシー国立高等美術学校(École nationale supérieure d’art de Nancy) (フランス)(研究・創造ワークショップ、ElectroShopとArtem 連合の一環として)、エスパス ピエル・パオロ・パゾリーニ―ヴァランシ エンヌ国際劇場(Espace Pier Paolo Pasolini - Théâtre international de Valenciennes)(フランス)(Groupe ICNとGroupe SFR-Cegetelの支援に よる。)
コラボレーション:ジャン=フランソワ・ロバルデ(Jean-François Robardet)、フランソワ・シュルツ(François Schulz)、エヴ・ヴィトレ(Ève Vitré)(ナンシー国立高等美術学校2005年度学生)、マリー・デュシェーヌ(Marie Duchêne)、ジャン=グレゴワール・ケリアン(Jean-Grégoire Khérian)(ナンシー国立高等鉱山学校(École nationale supérieure des mines de Nancy)2005年度学生)、リザ・デシャン(Lisa Deschamps)、クラリス・ジョリ(Clarisse Joly)、エレーヌ・ペロー(Hélène Perreau)(ICNビジネス大学院(ICN Graduate Business School)2005年度学生)、マリヌ・フェシュティグ(Marine Fechtig)、マチュー・ルデルスペルジェ(Mathieu Redelsperger)、エミリ・サルケブル(Emilie Salquèbre)(ナンシー国立高等美術学校2008年度学生)、ナタリ・ドゾン(Nathalie d’Auzon)、ポリーヌ・ボワイエ(Pauline Boyer)、クレール・ペイモン(Claire Payement)
謝辞: アントニオ・ギュズマン(Antonio Guzmán)、マルク・テボー(Marc Thébault)

 

 


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蘇生, サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini)、ティエリ・フルニエ(Thierry Fournier), 2005-2008
「ネクスト(NeXt)国際芸術フェスティバル」、エスパス ピエル・パオロ・ パゾリーニ―ヴァランシエンヌ国際劇場 (Espace Pier Paolo Pasolini - Théâtre international de Valenciennes)(フランス)、2008年11月29日。
写真撮影 : © Samuel Bianchini - ADAGP

 

 


《蘇生》はパフォーマンスであると同時にインスタレーションである。ひ とりのダンサーと複数の鑑賞者が装置を共有する。舞台は長方形で薄暗く、 大きなスクリーンで二分されている。スクリーンには白い濃霧の画像が投影 されている。スクリーンを挟んで、ダンサーと鑑賞者が向かい合う。霧は半 透明であるが、鑑賞者がその前に来ると、鑑賞者を不器用にしかし執拗に追 いかけようとするゾンビのような影がスクリーン上に現れる。鑑賞者の移動 およびスクリーンとの距離によって、影はあらわれ、大きくなる。影は霧か ら出てくると、スクリーン上に透明な部分を作り出し、それによってスクリ ーンの向こう側のダンサーが見えるようになる。どの程度見えるかの条件は 鑑賞者の動きによって刻々と変化する。画像に近づくことにより可視部分が 獲得されるため、空間、より正確に言えば奥行を経験するよう求められる。 奥行には、空間の奥行(舞台の奥行)、画像の奥行(空気の奥行)、時間の 奥行(振付と音楽の記録)がある。ダンサーの位置と動きもまた同様に、 装置によってキャプチャーされている。空間における「再生ヘッド」のよう に、これらの線にそって動き、そして線をまたぎ、ダンサーは速さや位置や 身振りによってリアルタイムで音楽を奏でる。「ズーム」や「屈伸」によっ て音から出入りし、弦楽四重奏と声楽のために作曲された音楽のフレーズの テンポを伸縮することができる。空間はこのように層状となったことによ り、全体でひとつの「楽器」となっている。この層状構造が振付を、ダンスの 動きと音楽の動きとの間で支えている。奥行きの中での速度の変化・移動・ 身振りが表現するものは、楽器と化した空間との遊戯であり、画像と鑑賞者 との対決であり、さらには戦いですらある。こうして振付・観客の移動・画 像・作曲の接点に、奥行の記録が浮かび上がる。
この装置は遊戯の場であると同時に楽器の場であり、生きたスペクタクル がどのような条件で生命なきものの画像を操作するかを提示している。鑑賞 者の態度を変えるために、型にはまった鑑賞の態度に疑問を投げかけること によって、この装置は鑑賞者を行為へと押し出す。行為とはこのばあい、 舞台とスクリーン双方を活性化することであり、パフォーマンスをダンサー 任せにせず、鑑賞者自身も能動的にパフォーマンスで対決することである。


 

 


REANIMATION, Samuel Bianchini and Thierry Fournier, 2005 - 2008
NeXt - International Arts Festival, Espace Pier Paolo Pasolini - Théâtre international de Valenciennes, France, November 29, 2008.
Video - 6mn30s

 

 


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蘇生, サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini)、ティエリ・フルニエ(Thierry Fournier), 2005-2008
「ネ クスト(NeXt)国際芸術フェスティバル」、エスパス ピエル・パオロ・ パゾリーニ―ヴァランシエンヌ国際劇場 (Espace Pier Paolo Pasolini - Théâtre international de Valenciennes)(フランス)、2008年11月29日。
写真撮影 : © Samuel Bianchini - ADAGP

 


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蘇生, サミュエル・ビャンキニ(Samuel Bianchini)、ティエリ・フルニエ(Thierry Fournier), 2005-2008
「カルタゴの舞踏的遭遇(Rencontres chorégraphiques de Carthage)」、第8版、チュニジア、2009年5月1-9日。キュレーター:シエム・ベルコージャ(Syhem Belkhodja)、フィリップ・ボードロ(Philippe Baudelot)
写真撮影 : © Samuel Bianchini - ADAGP